「日本より中国のほうが大切」 について
私も、米中関係と米日関係は、簡単に比較できない思います。
つまり、アメリカにとって日本は全面的な属国、余程のことがない限り危険を想定する必要がないという意味での「盟友」なのであって、例えば空気のように、不可欠ではあるが、無視してもよい存在なのだと思います。一方、中国は歴史や文化、政治体制や理念等においてアメリカと異なる独立した大国です。中国の巨大なパワーは、アメリカにとって半ば脅威半ば讃嘆の対象であって、「手強い敵」とも「頼りになるパートナー」ともなり得る国として、常に全力で対処すべき相手なのです。例えば水のように、大切だが防御も欠かせない存在と言えるでしょう。
そして、このような中国が、日本みたいな「盟友」になるとは考えにくいし、仮にアメリカがそれを望んだとしても不可能だと思います。従って、一時的にアメリカが日本に冷たく、中国と関係が良くなったとしても、それだけで直ちに、所謂「アメリカが日本を捨てて中国をとった」ことにはならないでしょう。
ただ私は、予測できる将来に「中米同盟」が再び日本に対峙する可能性を否定しません。何故なら、近年の日本に見られる右傾化は「反米反中(戦前の軍国主義)」の色彩が濃厚だからです。近い将来、日本が金融危機やテロとの戦い等に乗じてアメリカからの自立を試み、野心を膨張させて独自の勢力を伸ばそうとすれば、必然的に中米両国と衝突することになります。そして、その結末がどのようになるかは、日中戦争、太平洋戦争を思い出せば明らかでしょう。
言うまでもなく、本来日中両国はいずれも、アメリカにとって重要な国であり、「どちらのが大切」というものではありません。ただ、日本が中国への敵愾心とアメリカへの不信を極度に募らせ、頑なに二者択一を迫れば、アメリカは合理的に判断して中国を選ぶでしょう。何故なら中国は、過去、現在そして将来においても、多彩で奥深い文化、豊かで広大な国土、13億人という巨大市場を擁する正真正銘の大国だからです。日本には「大は小を兼ねる」という言葉があります。つまり、大国である中国はその一部でもって日本の全てを兼ねることができる(少なくともその可能性を秘めている)が、日本は全力をかたむけても中国の一部にすら取って替わることはできないということです。(中国はこのことをアメリカによく理解させる必要があります。つまり日本を傀儡に据えてアジアを支配するなど絵空事で、アジアでの影響力を維持したければ、中国とのパートナーシップこそ不可欠だということです。)
ともかく、米中関係と米日関係は、別次元で捉えるべきものなので、日本は余計な神経を尖らせるより、米中両大国の狭間で自らを窮地に置くような愚挙をせぬよう、自戒する方が賢明と思います。また、中国は日本のこのような動向に注意を払いつつも、13億人の利益、アジアの平和と繁栄のため、アメリカとの関係を一層進展させてください。